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今わかる範囲で、かなり歪みが酷い世界がある。
急いだ方がいいだろうな。
でも、その前に……
藤「おい、そこのモヤモヤ君!」
俺が勝手に着けた呼び名だが、靄は「はい」と返事をして俺の前に来てくれた。
藤「さて、お前の仕事はフェンリルの器とこの空間を守ることだ。
だか、俺がこうして転生した今その役目は終了した。
……その事に間違いは無いな?」
「はい」
藤「それじゃ、お前は暇になるって訳だろ?
だからさ、俺と一緒に異世界に行って俺の手伝いして欲しいんだけど……。
いい?」
ぶっちゃけ一人寂しすぎる。
話し相手とか欲しいんですよ。
「!!……宜しいのですか!?」
藤「もちろんだ。むしろ有難いし。
うし、そうなったら身体が要るよな…。」
知識を探るとちょうど良いのがあった。
俺は黙って靄に手を翳す。
靄も何も言わずにじっとしてくれている。
藤「……お前に俺から【名】と【器】を与えよう。
名は俺の半分を。器は俺の血と力を媒体にする。 【譲渡創造】」
俺が唱えると、靄はピンポン玉位に凝縮し、俺の消失感と共に黒い光を放った。
光がおさまると、そこには美しい一匹の黒狼がいた。
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