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ーー……
秋晴れの爽やかな朝。
そんな朝に似合わずムスッとした顔をしている少女がいる。
セミロングの髪をハーフテールにして、ピンクのリボンをつけている。
大きな瞳に華奢な体。
お姫様のようである。
「…………」
少女の名前は真中 麻莉亜(まなか まりあ)。
聖母・マリアの名を持つ少女。
だけどあまり本人は気にしていない。
只今、不機嫌オーラマックスである。
「おはっ。
真中!」
爽やか少年・宮島 阿棹(みやしま あさお)は元気一杯に挨拶をした。
茶髪のサラサラの髪を靡かせ、切れ長の瞳を麻莉亜に向ける。
長身で中々のイケメンである。
「おはよう。
宮島……」
ハイテンションな阿棹を見て麻莉亜は大きなため息をついた。
「うわぁ。
ネガティブ~」
空気を読めない阿棹は麻莉亜をからかう。
「……消えろ」
麻莉亜はギロリと阿棹を睨んだ。
「ひどっ!」
睨まれた阿棹はガクッと肩を落とした。
「おはよー真璃亜!
アンタ、またフラれたんだって?」
ノー天気に一人の少女が現れた。
ショートカットで背が高く赤い髪の少女は湯野 花梨(ゆの かりん)。
麻莉亜の中学時代からの親友である。
「はうっ!」
花梨の一言が麻莉亜のハートに突き刺さる。
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