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「ストレートだな」
あまりの直球に阿棹は唖然とする。
「あ、宮島くん。
いたのか?」
花梨はマジマジと阿棹を見た。
「ぐはっ!」
今度は阿棹のハートにグサリと言葉が突き刺さる。
「……大丈夫?
宮島?」
うなだれる阿棹を麻莉亜は覗き込む。
「ははっ。
こう見えても打たれ強いんだぜ。
『鉄壁の阿棹さん』と異名があるんだ」
ゆっくりと顔をあげ阿棹はブイサインをした。
「ただの甲斐性なしだろ?」
ニヤニヤしながら花梨は言う。
「うっ……」
花梨の言葉に阿棹は再び肩を落とした。
完全に花梨に押されている。
「宮島さんチィーッス!」
「阿棹さんおはようございます!」
ガックリしている阿棹の横にいかにもヤンキーっという感じの少年達がやってきた。
「オッス!」
阿棹は顔を上げキリッとした表情で挨拶を返した。
「か、花梨姉さんチィーッス」
花梨の存在に気付いたヤンキー達は律儀に挨拶をした。
「去れ」
花梨は迷惑だと言わんばかりにヤンキー達をギロリと睨んだ。
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