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この物語を語るにおいて、まずは森野 聖(もりの しょう)について説明するべきだと思う。 中肉中背。栗色のウェーブのかかった髪が胸辺りまで伸びていて、顔立ちは可愛いより綺麗の方が似合う印象。 俺と昌(あきら)と同じ高校出身で、三年間同じクラス、そしていつも一緒に行動していた仲である。 かつては、一年の時の、仲良くなって一ヶ月ぐらいまでは親友と思っていたが、今はそう呼ぶわけにはいかないと思っている。 俺達三人と一緒にいた、そして森野の幼馴染みでもある渡部 誠(わたべ まこと)を間接的に殺してしまった俺が、親友と呼んでいいわけがない。 その事実は森野は知らないし、森野は俺のことを親友と思っているだろうが、俺はそういうわけにいかないのである。 本当は恨まれて、親しまれるわけにはいかないのである。
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