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「このように、ディーボ草のエキスはかなり毒性が強いです。まあ、人間相手ですと高熱が出る程度ですが…」
「…何故、分かった。」
「勘です。」
「……勘。」
いや、それはないだろう、とヴィルフリートは反論したかった。
豊富な知識に、行動力。そして的確な判断…
何故この女は、ここまで敏感に察知し最善の道をとることができる。
花に間者、そして今度は毒。
一体、この下女は何者なのか――
「それより、よろしいのですか?この毒を入れた犯人を突き止めないといけないのでは?」
下女の声にハッと我に返るヴィルフリート。
見ると『エイミィ』が自身を見下しているのに気がついた。
ヴィルフリートはごほん、と咳をひとつするとすぐさま立ち上がり、護衛に目を向けた。
「そうだな。――ユイン!」
「はい。ただいま、この紅茶をいれた侍女を連れてきます。」
「おそらく先日の間者と関係のある者だろう。必ず探し出せ!」
「御意。」
返事と共に、ユインはさっと踵を返した。
まだ近くに潜んでいると思われる、侍女に扮した何者かを探し出すよう、
外にいる数人の衛兵に指示を飛ばし、彼自身も廊下に出る。
そして、数人の兵を引き連れ走り出した。
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