後悔と決心

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すると下女は満面の笑みで、 「もう『なりかわり』はやめましょう!!」 「……は?」 マルグリットの『お話』とまるきり同じことを、提案してきたのだった。 「ど、どういうことなんです?エイミィ。」 エイミィの台詞を聞くや否や衝撃で固まってしまったマルグリットの代わりに、 傍に立って話を聞いていたルビアがそう尋ねた。 マルグリットほどではないが、ルビアもかなり困惑しているようだ。 うろうろと視点を泳がせエイミィの答えを待つ彼女の手には、力を入れ過ぎて皺が寄ってしまっているドレスが握られていた。 「えー?そのままの意味ですけど。下女と側室のなりかわりはもうやめましょうって…」 「だから、何故そんなことを?先日は『ずっと側室のままがいい』などと言っていたじゃないですか。」 「別に、もう入れ替わる必要がなくなったんですよぉ。」 「必要、なくなった?」 ―いや、なんのことだか意味が分からない。 え?と頭の上に疑問符を浮かべる令嬢と侍女を見て エイミィはニヤッと笑い、なんでもないことのように言った。 「ああ、まだ聞いてないんですか?私、陛下の取り計らいで今度から後宮に入ることになったんです!!」 ――その瞬間。静寂が流れた。 令嬢の部屋の中には、発言をする者も動く者もいない。 ただただ沈黙が室内を支配した。 左側の大きな窓からさんさんと日が差し込み、鳥たちが楽しそうにピイピイ鳴いている声が聞こえる。 そして、カーテンを揺らしふわっと気持ちの良い風が室内に入り込んだ時。 「ええええええええ!!?」 やっと、令嬢と侍女はリアクションを取ったのだった。 .
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