科学の町

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毛繕いを終え、外に出る。 蒼「自然…どうなってるのかな…」 「おやおや、旅の人ですか」 蒼「はい、どちらさまですか?」 「町長をやっとる、ただの老いぼれじゃ」 白髪の生え始めた初老のおじさんである 町長「この町はな…科学技術だけが進歩してしまったのだよ…」 蒼「えぇ…」 町長「何もかも、科学で解決してしまってな、ついに友人関係もロボットで解決し始めたのだよ」 蒼「ぇ…でも、ロボットは…」 周りを見渡すが、ロボットらしきものは見当たらない 町長「そうじゃな…分からないか…」 蒼「はい」 朱「僕は匂いでなんとなく分かるけど…」 町長「よく見ると、歩くときに手が真っ直ぐになっとるじゃろ?」 蒼「えぇ…」 みんな、手が真っ直ぐ伸びている 町長「見て分かる通り、人間の方は出歩かなくなってのぅ…」 目を凝らす 手をポケットに入れている人が二人のみ 後は、手が真っ直ぐ 町長「それで、今、子供が少なくて、困っとるんじゃ」 蒼「困りますね…」 町長「そうじゃ、うちの町で住まないか?良い家、良い人生のパートナーを見つけるぞ?」 一瞬迷ったが 蒼「いえ、住みやすそうですが、私は旅の人なので、大丈夫ですよ」 町長「そうか…まあ、科学技術だけが頼りのこの町じゃが、見ていってくれ」
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