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「いや昔の事じゃ、気づけば…?、800年経っておった」
「そんな長い間…」
「うむ、ついに仇の子孫を見つけての……そう子孫じゃ、我の一族を殺した人はすで殺しておったのじゃよ、しかもの、我が一番最初に殺した人がそれじゃよ」
「じゃあその800年間は……」
「まあ、無駄な時間と言えよう、あの頃はとにかく力をもてめておった時期でもあったしのう」
「じゃあ、もう人に復讐は…」
「もうしとらんよ、いや今から100年の間は我を殺しに来る人間しか相手にしとらんよ」
「そうなんですか」
「ま、もっとも人を殺すの止めたのは別の理由じゃがな」
「え…?!」
「復讐が終わろとも人間自体が憎かったのじゃ…、ある日のことじゃ、一つの集落を見つけての、当たり前のように人を殺ろしておったのじゃ」
「はぁ…」
「そうしたらじゃ、子を庇う親の姿を見てのぉ……、それがどうも我と小さな頃と重のうてしまっての、何故かその場を飛び出してしまったのじゃ…、またそれから暫く闇雲に飛んでおっての人の匂いがしてあの時訳の解らん気分を晴らしたくての、そこへ向かったんじゃ…、したらどうじゃ人と人が殺し合いをしておるではないか、なんというかのぉ、呆れたというべきかそれ以来殺しを辞めたのじゃよ」
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