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三年になって初めて気づいたあなたの存在。
クラスが9組あるため、名前も知らずに卒業する人もけっこういるでしょう。
そんな中、同じクラスになって、自己紹介の時から私の目はあなたに釘付けでした。
そのうち、授業中に彼の背中を眺めていることが私の密かな楽しみ?となっていました。
が、ある日隣の席の男子に声をかけられました、しかも意外な内容で。
「水島ってさぁ蔵久のこと好きだろ」
えっ!
「なんで?」
「見てりゃわかるって」
「そんなこと…ないよ」
ごまかしながら顔をそむける。
「なんだ、せっかくだから蔵久に彼女いるか聞いてあげようかと思ってたんだけど…違うならいいや」
えっうそ?
「あのっ、そのっ💦」
…
……
私の様子をしばらくみて、隣の男子は笑顔で手を差し出した。
「おれの名前は小宮山騎士、ナイトって呼んでくれ」
ナイト…?すごい名前。
彼の手をとって応えた。
「私は水島…です、よろしくね」
「下の名前は?」
「あんまり好きじゃないから…」
「ん~、まぁいいや、近いうちに蔵久と友達になって色々聞いとくよ」
友達じゃなかったんだ。
「あ、ありがとう」
本当に聞いてきてくれるのかな…。
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