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エレベーターのドアが開いて、部屋に向かう。
彼女が僕の部屋に来るのは2回目か。
後ろに付いてくる彼女に僕の方が緊張していると思う。彼女には手慣れているように見えるらしいけど。
女性経験は多い方だと思う。けれど好きな子を前にして緊張しないわけないよ。
苦しいような痒い気持ちを噛み潰すと奥歯で甘い味がした。
部屋の鍵を開けて電気をつけた。そのままキッチンへ向かって、ケトルに水を注ぐ。
後から入ってきた彼女はソファーに座るところだった。
彼女を振り向く余裕もなかったことに今、気がついた。
「今、紅茶淹れるから」
短くお礼を言った彼女に安堵し、寝室に向かった。
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