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秀一は長谷川に、今朝あった出来事を話した。
それに対して長谷川の反応は、
「……ふ~ん。で?」
あまり芳しくなかった。人差し指で鼻をほじる程である。
「お前……おかしいと思わないのかよ?あの二人だぞ?」
「思わない。仮にも同じクラスメイトだぞ?会話ぐらいするだろうが?」
長谷川は鼻くそを丸めて、明後日の方向へ飛ばす。
「メールだって、友達同士とかだったら普通にあり得るだろうよ。俺は山本と中村さんのアドレスを知らないが」
それは秀一も知らない。
というか……。
「そういえば俺、長谷川のアドレス知らない」
そんな秀一の呟きに対して、長谷川はさも当然のように、
「そらそうだ。教えてないし」
と、のたまう。
「……何で?俺達友達じゃなかったっけ?」
「……え?俺達友達だったっけ?」
「おい!?」
長谷川の態度に秀一は軽いショックを受ける。
「お前と付き合っているのはな?全ては子鹿ちゃんの為なんだぞ?」
「……あ?」
何故ここで妹の名前が出てくるのか。
「昔の偉人は言ったな?『将を射んとすれば馬から』と……。つまり、子鹿ちゃんが『将』で貴様は-」
「OKわかったいいから黙れ」
秀一は長谷川(ロリコン)を睨みつける。
「てめぇは金輪際、俺の妹に近付くな……?近付いたら八つ裂きにしてやる」
「おいおい、いい加減妹離れをしたらどうだお兄ちゃん?」
「黙れと言ったぞ?俺の目の黒いうちは、絶対に貴様にだけは手を出させない」
二人の間に不穏な空気が流れ出した。
そんな時である。
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