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(朝から元気良いねぇ…我が妹は…)
そう心の中で呟きながら、秀一は朝からため息をもらした。
高原秀一。
今年十七歳になった、私立 斑鳩院高校の二年生である。
勉強は並、運動は悪くは無いが良くも無いという、普通の高校生。
性格は、良く言えば穏やかで大人しい。悪く言えばやる気ない。
趣味はゲームや読書等のインドア全般。
特にゲームに対しての造詣は深く、ジャンルを問わずプレイする。
得意のゲームはカードゲームで、全国の少年達なら知らない者はいないとまで言われる『勇者王バトルスピリッツ(通称勇スピ)』が大のお気に入りである。
そんな少年な為、
「アウトドア?…ああ、そう言えば、そんな名前の会社があったね?」
と言うくらいの、筋金入りのインドア少年である。
そんな少年な為、昨夜は新作のRPGで徹夜という、ダメな学生っ振りを遺憾なく発揮していた。
そんな怠惰な兄に対して、子鹿は苦言を口にする。
「もう、アニィも子供じゃ無いんだから、徹夜でゲームとかやめてよ!」
「おいおい……兄をそんなに褒めるな?照れる」
「褒めてないよっ!?」
妹は鋭いツッコミを入れた。
「それに、小学生に叱られるとか…今日はご褒美デーか?」
「キモいよアニィ!?」
大分変態な兄である。
「……あのなぁ子鹿。お前は誤解している」
「何が?どっちの方で?」
「お前の兄はな?世界を救う勇者の一人なんだぞ?……それを何だ、ゲームがどうのいい歳がどうのと……嘆かわしいぞ?」
「嘆かわしいのはこっちの台詞だよっ!?あと、ご褒美の方も否定してっ!?」
子鹿は自分の身体を守るように抱きしめ、秀一から離れた。
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