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元々走りが苦手な彼女は走り方に無駄が多く、胸にある2つの大きなボールが自分勝手に動きなかなかスピードが上がらない。
そのまま1人後方を走る黒羽の肩を……。
『トンッ』
「あ……」
ハンターの1人が掴んだことにより、彼女の失格が決定した。
維新 黒羽 確保(残り11人)
残る三体のハンターはあっさりと黒羽を追い抜き、捕まえたハンターもすぐさま手を離し、辺りをキョロキョロ見渡し歩き出した。
呆然とする黒羽はその場に座り込……もうとしたその時、突然彼女の体が激しく発光する。
「……ふぇ……!?」
いきなりの非現実的現象に黒羽は慌てふためくなか、最大限に輝き徐々にその光が弱まると……その場には誰もいなかった。
――
「……あ……」
黒羽が気付いた時には確保者が収容される牢獄へ転送された後であり、彼女はようやく現実を理解しフルフルと体を震わせる。
それは先程自分の身に起きた現象に恐怖を感じているわけではなく、こうなった原因であるサイコロを投げた平凡そうな男子に対する激しい怒り。
牢獄の鉄柱をガシッ!と掴んで、思い切り息を吸い込み……彼女にしては珍しい大声を張り上げたのであった。
「……あんがっちゃまぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……!!」
※とある方言で『あの野郎』という意味です。
ちなみに『こんがっちゃまぁ』だと『この野郎』。
――
ハンターから制限時間まで逃げ伸びれば、自分のSSを獲得出来る。
それが……
GORI PROJECT
逃走中(偽)
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