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――杏里視点――
「……ここは一本道か……」
『美空さんはどんなSSを書いてもらう予定なんですか?』
「む?私か?……影が人一倍薄いのだから書いてもらえたらなんでもいいさ……」
渇いた笑いを浮かべながら、後に暗い表情になる美空杏里。
果たして、かつての栄光を取り戻せるのか。
――駆視点――
「うわぁ……どこも閉まってる……またこの静かさが怖いですね……」
『逃げ切る自信は?』
「……ちょっと自信がなくなって来ました……」
――一郎視点――
「まさか最初に出すなんて……っやば!(ハンターいたハンターいたハンターいた!!)」
およそ80m先に、周囲を確認しながら不気味に歩くハンターを発見。
一郎は即座にゴミ箱の裏に隠れ、バレない範囲で顔を覗かせる。
場所は1Fの広間。
まだ体力が有り余っているにも関わらず、一郎は荒い呼吸を繰り返しながら額にはじんわりと小粒の汗が浮かび上がった。
ハンターはしばらくその場をウロウロしていたが、やがて右側へと消えて行った。
「ふぅぅぅ……恐かった……あの女の子(黒羽)には悪いことしたなぁ……」
――刈魔・麗菜視点――
「あ、ここのゲームセンターとかどうっすか?」
「悪くはないな……お?ここなんかいいんじゃないか?」
刈魔と麗菜は全ての機体が停止しているゲームセンターコーナーへと訪れていた。
持ち運びを手軽にする為に中がスカスカの階段の裏側を刈魔は指差し、ひとまずは2人揃って僅かな空間に体を滑らせる。
「なん……とか入ったな……」
「ミッションが出たら刈魔先輩行って下さいっす」
「難易度による」
刈魔は腕に取り付けた『制限時間』を表示している機械を一瞥し、カメラマイクが拾えるギリギリの音量で呟いた。
「最初はどんなミッションが来るんだ……」
残り・76分49秒。
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