4人が本棚に入れています
本棚に追加
「ん? なんだこれ」
好きな絵師さんのホームページを見ていたときに上にあった広告。
≪こんなにすぐお金が入るなんて! 夢のような収入!!≫
「…………。」
そう。それをクリックしてしまったのが全てのハジマリだったんだ。
クリックした先には更に多くの人たちの寄せ書きがあり、多くの人々が歓喜のコメントを書いていた。
私の名前は【欲麻 茨穏≪ヨクマ シオン≫】。
絶賛ピチピチの大学2年生だ。
つい最近収入の少ないバイトから別の、もっと収入の多いものはないかと探している最中だった。
そこに、この広告が飛び込んできたんだ。
「…嘘っぽいしなあ、」
そのとき、私はそう呟いて、でも少しだけ気になってそのページをお気に入り登録だけしてページを閉じた。
そのコメントの中の、唯一おかしいコメントに気付くことなく。
「茨穏、茨穏!」
「…!!」
ぼんやりと、この間の夢を見ていた私はそいつの声で目を覚ました。
そこには大学の友人がいた。彼の名前は【金嶺 建雄≪カミネ タツオ≫】。
昔からの幼馴染で、しかし腐れ縁である。幼稚園、小学校、中学校、いわずもがな高校も一緒だった本物の腐れ縁だ。
「…ふぁああ…、なにさ」
「臨時収入入ったからさ、奢るから食堂いかね?」
「…いいのか?」
眠たげな表情がパッと変わったのを彼は苦笑して見つめながら、「いいぜ!」と彼は屈託のない笑顔でそう言った。
最初のコメントを投稿しよう!