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「…そ、それから先は…?」
「……ありえないと思うけど、聞いてくれよ?」
PCに紅い掌の跡。
それがくっ付くような音の解答だったらしい。
まるで、ある都市伝説を思い出させるような赤。
『な、』
どんどん赤がベタベタと広がり最終的には赤になり尽くす。
そして、人の…女性の手がべたりとその画面を触れた。
≪選べなければ、寿命を≫
『ひっ!!』
ぬぅ、と出てきた手。
つかめるものを…携帯電話、充電器、他にも何を掴んだか覚えてはいないが、必需品を掴んで玄関へ走る。
ガチャ、ガチャガチャッ!!
『…あ、開かない!?』
≪正解すれば億万長者に、失敗すれば寿命を削られる――――――≫
『!?』
貞子のように、彼女は画面からズル、と出てきた。
血まみれの彼女は、こちらをグルリと向いた。
真っ赤に充血した目、もはや人のものとは思えない瞳が俺を映した…。
「…そこからあの状況だ、携帯から広告サイトに入って掲示板に書き入れたら油断してさ」
それを聞いて私は呆然としつつも、
「寿命…? …まさか、間違ったら死ねって言うのか…?」
と小さく呟いた。
すると聞こえていたのか、金嶺は
「いや、追ってきながら言ってたんだが≪お前は運が悪かった≫≪二度と広告に触れなければお前は残り少なかった人生を満悦して生きていけただろう≫って…」
と、言った。そこで1つ疑問が思い浮かぶ。
「…の、ワリには病気とかで死なないんだな」
「ひっでぇ!!」
「そういう意味合いで言ったわけじゃない。」
まったく、と溜息をつくと「ご、ごめん」としょげた犬のように彼は言うものだから思わず小さく笑ってしまった。
それから少ししてから、理論としては少しおかしいかもしれない答えを挙げた。
「…大方、そいつが事故死にでも仕向けようとしたのかもな。一心不乱で逃げただろう」
「あ、ああ…」
「お前の家から私の家までは距離もあるし横断歩道もある。そこでお前が果てる可能性は十分にあったはずだ」
「…っ」
「よかったな、金嶺。」
「え?」
私の一言に彼はきょと、と私を見つめる。
くす、と再び小さく笑ってから、その褒めの解答を返す。
「お前はそのお得意の運に命を救われたんだ。」
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