序章

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富樫葵はいつも、「生きることは創造することだ」と言っている。 確かにそうかもしれない。俺たち人間は、服を作り、食べ物を作り、家を作っている。ゆえに何かを創造するのがうまい人間は、人生をうまく生きていけるだろう。富樫葵がまさしくそれだった。 葵の両親は、葵がまだ言葉も話せないような歳の時に亡くなったそうだ。そして頼れる親戚がいなかった葵は、隣に住んでいた俺の家に引き取られることになった。俺と葵の歳が一緒だということも理由の一つだろう。
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