道標

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気になる点として挙げた人物だが、酷く疲れた様子で起きているのか寝ているのかもわからない状態であった。 まぁ、僕もこんな所に長く居たい訳ではないのでサッサとお暇しましょうかと思考をさっそく切り替え、扉へと足を進める。 途中、額から液体が頬を伝い、顎を通る所で部屋に滴り落ちる。 まるでこの短い距離で目印でも付けるかのように、一定の間隔を空けて後ろに続く赤い点を一瞥し、目印にするのはパンだろう? と、童話の話を持ち出して少し頬を上げる。 確実に頭がイっている。この状況で冗談が思いつき、一人で笑っているなんて……いや、物理的にも頭はやられているが……
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