道標

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薄暗く、照明は四隅に付けられた消えかけの蛍光灯と扉の上部にあたる部分に一つ。 扉の傍には淡い緑色の光を放つ電子機器も取り付けられているようだ…… 何気なく額に手をやりながら更に注意深く周りを観察すると、気になる点が二点。 一点、扉とは真逆の位置で壁にもたれ掛って座っている人が一名いる事。 二点、額からドロリと流れ出す妙に生温かい液体の事。 そうか、頭痛の正体は怪我だったのかと、頭から血が抜けた事によってなのか冷静に分析する。どうやら僕は切り替えが早いというか悩む事が苦手なだけなのかもしれない。
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