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友人と語り続けた。しかし、夜が来訪しようとしても雨は依然強い。風はもっと強くなった。
山を下りることが出来ない。焦りが募る。だが、急くばかりの気持ちをどうにか押さえ付けて、明日に備える。
小屋が壊れそうな音を立てた。その度に反応してしまって、精神が疲れてきているのを感じる。
寝袋にくるまっても、中々寝付けない。友人はなんら感じないのか、爆睡しているから腹ただしい。
やはり寒い。寝袋から出した顔だけが、外から染み出す冷気によって熱を奪われていく。
ああ、早く寝よう。そうすればこんな音も冷たさだって気にならなくなるさ。
目を閉じる。明かりのない暗がりによって、瞼の裏は黒一色に染まっていた。
風の音が耳障りだ。ついでに、友人のいびきが堪らなく五月蝿い。
眠れないか。もう少し目を閉じていよう。すぐに寝れるさ、きっと。
床が固くてとても寝心地が悪い。なんでこいつはいびきをかくだけ熟睡出来るのやら。
恨みがましく睨んでも、奴は全く気にもとめない。どこから出しているのか、野太い声を放ちながら眠り続けている。
やれやれ、こいつに誘われなければ登山なんて来なかった。今ごろは使い慣れたベッドの上だったろうに。激しい後悔が俺を襲う。
風と雨が猛る。小屋が壊れるのではないか。そんな不安が過った。
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