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「大丈夫よ。でも、どうすれば良い?」  一秋は、1度店を皆と出た後に、別れてから今の店に戻って来てと言う。  そして、その時に自分も連れが居るから、1人友人を連れて来る事も忘れないでと付け足した。 「分かったわ。何だか合コンの梯子みたいね」  そう返事すれば、お前が合コンなんかしてるからだと、苦笑いされる。そんな表情にさえドキリとする。  なに食わぬ顔でテーブルに戻り、トクントクンとなる鼓動を、気のせいだと押さえる。  本当にヤバイ相手に捕まったと、何処か冷静な自分が声を上げている。  戻って来たら、絶対に逃げれない。  そう思っていると、視線を感じてその方を向く。一秋と視線が絡まり、緩やかに弧を描く一秋の唇が動いた。 「まってる」  音の無い声が、耳に届く。もう、逃げられないと無意識に悟った。  1時間もしないで合コンは終わりを告げ、一秋の言った通りに、二次会に行くこと無く解散した。  2人居た友人のうち、今日の幹事じゃなかった、聡子を連れて店に戻る。  店に入ると一秋の姿がカウンターに無い。不思議に思っていると、先程まで私達がいたテーブルから私を呼ぶ声がする。 「こっちだよ」  振り向けば、満足気な笑みを見せる一秋が居る。 「おまたせ」  テーブルに近付くと、スルリと一秋の手が伸びてきて、当たり前のように腕を捕まれ、隣に座らされた。
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