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 まるで打ち合わせされていたかのように、一秋と一秋の友人 竹ちゃんの話術に嵌まり、あっという間に時間は過ぎる。  気が付けば、聡子と竹ちゃん、私と一秋で2組に別れ話込んでいた。 「もう、携番教えてくれるよね」  唐突に一秋から出た言葉に、操られるようにバックから携帯を取り出す。それを自然な動作で取ると、直ぐに赤外線通信を終わらせ私の手に返す。 「これで、直ぐに連絡出来る」  緩く笑う一秋に頷く事しか出来なかった。本当に逃げられない、それだけが頭に渦巻いた。  日付が変わる頃、店を出た。  寒風に晒され、瞬く間に体温が奪われて行く。  前を歩く聡子と竹ちゃんの背中を見ながら歩く私の横には、随分と背の高い一秋が居る。 「なぁ、愛理ちゃん」  呼ばれて一秋の顔を見上げると、首が直角に曲がるんじゃないかと思う。 「何? だけど、本当に背が高いのね」 「あぁ、188センチあるからね。愛理ちゃんは小さいよね」  子供の頭を撫でるように、ポンと頭に手を置くとニヤリと笑う。 「特別小さい訳じゃ無いわよ? 155センチは有るんだから、城川さんが大き過ぎるのよ」  私の周りに居る男にも、180センチを越える人は何人も居る。しかし、185センチを越えるとこんなにも大きく感じるのかと思う。  頭に乗った手を退かそうと、一秋の手首をそっと掴む。 「手、冷たい」  一言、言ってそのまま私の手をその大きな手で捕まえた。
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