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「分かってるっての。でもグチの一つくらい良いだろ?俺だって人間だ」
「霧島中尉の場合いつもに思えますけど、いいです。作戦が始まりそうなので今回は目を瞑っておきます」
唇の端をクッと吊り上げて笑う彼女に、思わず溜息が漏れる
緊張感が無いのは相変わらずだが、男ー霧島はいちいち注意をしない
彼女のこの性格は今に始まった事ではないし、何より霧島指揮下の全隊員に規律を説くほど余裕もない
腕時計の秒針が50に達する
「…時間だ、萩野も持ち場に戻れ」
「イエッサ~中隊長殿。楽しい人殺しの時間ですね…」
怠そうな視線とやる気のない発言を残し、草むらの中に戻っていく
そんな彼女に特に言葉を掛ける事はせず、冷たい地面に腹這いになる
そして脇に置いてあった12式小銃を掴み取り、バーを動かして初弾を叩き込む
そう遠くない所で、幾つもの爆発音が鳴り響く
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