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「じゃあ、今日はここまで。
質問がある生徒は授業が終わってから来てください。
それでは、授業を終わります」
授業が終わったからと言って質問に来る生徒など居ない。
机の上の教材を片付けていると、不意に頭の上から声がした。
それは、できれば聞きたくない声だった。
「先生、質問いいですか?」
生徒からの質問を断る教師は居ない。
例えそれがどんなに嫌な生徒からだろうと。
魅織も例に漏れず、恭弥に答える。
「何ですか?」
「あの、ここどうしてこうなるんですか?」
質問に答えると、恭弥は魅織に何か差し出してきた。
少し訝しげに思ったが、魅織はそれを受け取る。
見てみると、それはチョコレートだった。
「疲れた時には甘いものを食べるといいらしいですよ」
「そう。ありがとう」
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