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恭弥の目も見ずにそう答えて、魅織は教室から出ていく。
残ったのは、微笑む恭弥の姿と、魅織の香水の残りがだけだった。
職員室に戻ると、理事長室まで来るようにとの伝言が。
面倒くさいが、こればかりは仕方ない。
職員室に着いたその足で、理事長室に行く。
その足取りには、少しだけ気怠さが滲んでいた。
理事長室に着くと、そこには理事長と恭弥の姿が。
そのことに少し驚いたが、表情を崩すようなことでもなった。
入口の方で立っていると、座ることを促されたが、魅織は頑なに座ることを拒んだ。
「教職員の間で、君たちが付き合っているという噂が流れているんだが、これは本当のことなのかな?」
情報の歪みに唖然とする。
何でそこまで話が飛躍しているのか。
考えられるのは、魅織への嫌がらせだろう。
幼稚すぎて、笑ってしまう。
本当に、子供みたいだ。
大人の嫉妬ほど、醜いものはないだろう。
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