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下らない。
生徒の機嫌取りしかしない教師たちにも。
そんなことを許容する学校側も。
まぁでも、教育機関はどれも平等に保護者のアンテナに触れないようにしているのは間違いないんだけれど。
「じゃ、私は授業があるので」
魅織は、そんな五月蠅い喧騒から逃れるために席を立った。
後ろではまだ何か言っているようだが、魅織の知ったことではない。
小さくため息をつく。
こんなに気が進まないのは、さっきの少年のせいだろう。
魅織が教室に入ると、生徒たちは慌てて自分の席に戻っていった。
教室の片隅に目をやると、先程の少年がいる。
いつもは読書をしているが、今日は魅織のほうを見ている。
一瞬目が合うが、魅織は自分からその目を反らした。
「じゃあ、授業始めます。
教科書の8ページを開いて」
何事もないように授業は進んでいく。
何事もなかったような魅織の態度に、恭弥は少し残念がっているようだった。
まるでこちらの反応を見て楽しんでいるかのような恭弥の反応に、少しだけ腹が立つ。
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