手紙の差出人。

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そして屋上に行ったらこの有り様だ。 「言っとくけど、君には拒否権はないからね」 「だが断る!」 「へー?そんなこと言っていいと思ってんの?」 徐々に近づいてくる、男。 思わず後ずさる俺。 いや、俺の方が少し身長も高いし、多分いざとなったら勝てる、…たぶん。 それに俺の方が先輩なんだし…! ただ如何せん、こいつが纏っている空気、半端じゃなく恐いんですけど!? 瞳が…逸らせない…。 「……っ…。」 俺もそんなに馬鹿じゃない、このまま下がれば、扉があるんだ、 あとは手さえ伸ばせば…。 後ろは扉。 あとは手を…。 「逃がさないよ」 綺麗に笑うその瞳に囚われたが最後、 俺の足はすくんで動けない。
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