手紙の差出人。

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「紗智先輩、好きです」 ここは屋上。 見ての通り、今俺は告白をされたようだ。 太陽の光に浴びても黒々とした艶やかな黒髪。 長い睫毛で縁取られた大きな二重の瞳は黒曜石の如く美しい。 真雪のように肌は白く、 薄い唇はまるで紅を点したかのように赤い。 まるでおとぎ話に出てくる白雪姫が本から飛び出してきたかのような男だった。 ――男だった。
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