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昔々あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。
2人の家は山の頂にある為、買い物などは山を下りて街まで行かねばなりません。
老体には相当キツい道のりでしたが、彼らには車という移動手段があったので、特に心配はいりませんでした。
そんな場所に住むおじいさんは…もう90であろう歳なのに、とても元気いっぱい。
と、言うのも…
おじいさんには毎日元気に過ごす為の秘訣があったのです。
週に5日…
街へ行ってはキャバクラで遊び放題。
一体どこからそんなお金が手に入るのか………
それは、とりあえず置いておくとして。
とにかく女好きの彼にとっては、キャバクラが元気である為の秘訣だったのです。
おばあさんは…
と言うと、これまた元気な人でした。
おばあさんも週に4日、街に行きホストクラブやらなんやら…毎日のように遊びほうけていました。
2人は、それぞれのお店ではかなりの人気者。
もう気分はウハウハでした。
ですが…この2人。
お互いバレない様に、こっそりと遊んでいたのです。
勿論、互いに全く気がついていません。
そんな幸せな日々が続く…2人は変な自信と共に、そう確信していました。
しかし、ある日の事…―――――
ガシャーンッ!!
「じいさん、なんだい!?この名刺に書いてある『ミミ』って子は!!携帯番号やメアドまで…」
「ばあさん、返してくれ!!ミミちゃんは、わしが1番大好きなキャバ嬢なんじゃっ!!それがないと…わしは…」
「言い訳無用っ!!そんな歳でキャバクラなんかに行って…恥ずかしくないのかい!?」
「なにをぅ!?くっ…ならば、わしも言わせてもらおうか。この前、電話が来てな」
「…?」
「若い男の声だ。『また店で待ってるよって伝えてくれるかな?俺の名前は星に輝くで、星輝-テル-。そう言ってくれれば伝わるからさ』と、言っていたが…ばあさん、店とはもしかして…」
「星輝君が電話を!?くっ…出たかった…っ!!」
「…。」
おじいさんとおばあさんは、この衝撃的な事件をきっかけに、お互いの愛情について考え始めました。
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