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すぐにリビングに戻ってきた奏さんは、右の手のひらをあたしの前に広げて言った。 「百音、これ覚えてる?」 手のひらを見たあたしは目を見張った。 「……ト音記号のストラップ!!」 驚くあたしの手を取った奏さんは、その手のひらにストラップをそっと置いた。 「これ……どうして…?」 「あの時…きみが倒れた場所で拾ったんだ」 あっ…じゃあ…もしかして… 「ランドセルの荷物拾ってくれたのって…」 「それは違うけど…救急車で運ばれたきみを見送ったあとね…見つけたんだ」 奏さんは左腕に手をやってその時の事を思い出しているようだった。
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