1639人が本棚に入れています
本棚に追加
「腕…痛かったですよね?」
骨がずれてたって言ってた。
骨折したことないからわかんないけど、ものすごく痛いよね…
「うん…痛かったよ。それより痛かったのは、こっちだったけど」
胸に手をやる奏さん。
「そうですね…」
あたしも胸に手を当てた。
「百音…これ見ると思い出して辛い?」
奏さんの瞳が揺れる。
「…大丈夫。むしろ、嬉しいかも」
だって…あの事故の痛みは、時間の流れがかなり癒してくれてる。
自分の中でちゃんと受け止められている。
だからこそ、このストラップも大切な想い出になってたんだから。
「たからもの…だった?」
「はい…たからものです。奏さん、拾ってくれてありがとう」
このストラップも、今がそのタイミングだったんだと思った。
そうでなければ…
あたしたちは始まることはなかった。
ねぇ…お父さん
お父さんが仕組んだの?
奏さんとの3度目の出会いを…
だったら…嬉しいよ?
ありがとう
お父さん
最初のコメントを投稿しよう!