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……奏さんの過去、気にならないと言ったら嘘になる。
でも…
ずっとあたしだけを好きでいた訳じゃないだろう。
あたしだって、サトシと付き合ってた。
だけど…
とっかえひっかえって…
「な?俺と付き合おう?」
江口さんがあたしの手を握った。
あっ!…イヤッ!!
思わずその手を振り払った。
「江口さん!ごめんなさい。それは出来ません。か…彼氏が出来ました」
気まずくなりながらそう言うと、あたしは最後の鍵を締めてからバックヤードに向かう。
「蓮見!店長と付き合ってるのか?」
あたしは江口さんを真っ直ぐに見た。
「はい、そうです。…あたしは店長を信じてますから」
それだけ言うと、その場を後にした。
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