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「奏さん、車は?」 「今日も…乗せてくれる?」 「はい」 …なんか嬉しいかも。 ちょっとでも近くなる。 すると、そっと差し出された大きな手。 あたしは…自分の手をその手に重ねる。 やっと、触れられた。 嬉しさと同時に、身体の中心に熱を感じた。 なに?この感じ。 今までに感じたことのない不思議な感覚だけれど、イヤじゃない。 むしろ… 心地よい。 あたしの車までの道を手を繋いで歩いた。 なんともいえない幸せな気分で… さっきのとっかえひっかえの話は聞くのよそう…とか思っていた。 「あら、ソウくんじゃない?」 なんて声が掛かるまでは…。
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