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再び鳴り出したスマホに出ると、キヨさんの安堵した声が聞こえた。 「良かった…やっとつかまった。…心配しましたよ?」 「…ごめんなさい。…えっと…その…」 「ふふ…朝帰りなんて…久しぶりですね」 「………もう!今、帰るところだから」 「そうですか。では、お待ちしています。気をつけて」 「ありがとう」 電話を切ると、スマホの電源を落とした。 そして、あたしは車に乗り込むとすぐに発進させた。 本当はこのままパリへ逃げて行きたいくらい。 「また」だなんてあまりに滑稽で… 涙すら出てこない…。
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