1640人が本棚に入れています
本棚に追加
再び鳴り出したスマホに出ると、キヨさんの安堵した声が聞こえた。
「良かった…やっとつかまった。…心配しましたよ?」
「…ごめんなさい。…えっと…その…」
「ふふ…朝帰りなんて…久しぶりですね」
「………もう!今、帰るところだから」
「そうですか。では、お待ちしています。気をつけて」
「ありがとう」
電話を切ると、スマホの電源を落とした。
そして、あたしは車に乗り込むとすぐに発進させた。
本当はこのままパリへ逃げて行きたいくらい。
「また」だなんてあまりに滑稽で…
涙すら出てこない…。
最初のコメントを投稿しよう!