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「った~~い!! なにすんのよ~」
一人でパニックしていたのが気に食わなかったのか、いつもの挨拶変わりの平手打ちか。…恐らく後者だろう。
目に涙を溜めて隣を歩く友人を睨み付けてやる。
柏木凛という名の彼女は、コテコテの大阪人だ。
ふんわり茶がかった(地毛)ボブヘアーで、クリクリとした大きな目、通った鼻筋にキュートなルックス。そこいらのアイドルグループのスタメンをも膝まずかせれそうな愛くるしい見た目と、持ち前な関西のノリでノックアウトされた男は数知れず。更には性格も根っからの善人という、もう語るだけで自分が落ち込んでしまいそうなハイスペック少女だ。
背が小さいのが悩みだとか。
そんな彼女が、ジト目でこちらを横目に見ていた。
「どしたん~? 朝テンション低いんはいつもの事やけど、なんかハニワみたいな表情しとったで?」
「土器扱いされたのは初めてだ…」
「あはは!! で、ホンマどーかしたの?」
「今朝、ちょっと、というよりすごいおかしなことがあってさー」
「おかしなこと?そういや昨日このすぐ近くで、暴走したトラックが人をはねて辺りはパニックになったってニュースで流れてたね。でも遺体はどこにも見つかってないんやって、おかしな事故やね。こわいよなー… 」
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