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朝起きて、眠気を帯びたまま学校に行き、授業を寝て過ごして、担任に起こられて家に帰る。
それが俺、佐藤 浩輔(さとうこうすけ)17歳の日常だった。
今日もいつも通り、朝起きて学校にいって一連の流れを行って普通に家に帰ってきた。
そこまでは、よかった。
突然身体が硬直して、足元から目も開けられないほどの光が溢れだして俺を包み込んだんだ。
俺の両親は幼い頃に他界し、既に一人暮らし状態になって俺だけしか住んでいない我が家の殺風景な景色から一転、それとは相反して壁一面にきれいに並べられた本棚や、電気などで明るくなっている学校の教室程度の広さはあろう部屋に俺は訳もわからず突っ立っていた。
「――――なん、だ?」
いまだ発光している足元には、先ほど光ったときにチラッと見えた何かの陣のような模様。
そして、目の前には赤目で銀髪ロングを多分後ろで一つに束ねているであろう男が一人。
しかも、背後には何やら普通では有り得ない変な服装の男女数人と張り付けた笑顔のおっさんが一人。
皆、コスプレでもしているのか、と疑いたくなるような服装だ。
全員マント?のようなものを羽織って付属のフードを深く被っているから詳しいことはよくわからないが。
そして、一番の威圧を放っている目の前の男だ。
この男は別格。
空気が違う。喧嘩慣れしていて場の張りつめた空気に敏感になっている俺の勘がそういっている。
この勘は信じてみても良さそうだ、と思った俺はこの、目の前の男と背後の数人を警戒しつつ、男が声を出すのを待った。
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