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「初めまして。私はリカルディア・ホワイトネス。長いからリーと、呼んでくれ。突然で失礼ながら、君の名前を聞かせてほしい」
待つこと数秒。目の前の男―――リー、が、自己紹介を始めた。
礼儀正しいリーに多少安心し、俺も自身の名前を名乗った。
「…佐藤浩輔」
他に言うことがなかったため、いや、出てこなかったためそっけない自己紹介になってしまったがそこは知らない。
いきなり意味のわからない展開で頭がおっつかないんだよ。
なんて、頭のなかで一人誰かに向かって言い訳していると、リーは片言な言い方で俺の名前を復唱した。
「サトウ…コ、ウス…ケ?変わった名だな…」
あ?そうか、こいつの名前からしてここは日本じゃない。と、言うより地球でもないかもしれない。
確かにこいつの姿形は人間そのもの。しかし、服装といい髪の毛の色といい、地球人では異色なものばかりだ。
もし、ここが地球で日本であるならば髪は黒いはずで、目だって茶色いはずだ。
服装だってこんなに変わってはいないし、第一、剣や杖、こう言った武器?など、帯刀するはずがない。
そう考えると、もはやここは一体どこなんだ、ってなってしまうが、それはこの男、リーに聞けばなんとかわかりそうな予感がする。
「あ、そうだな。佐藤がファミリーネームで、浩輔がファーストネームだ。浩輔でいい」
俺がそういってやると、リーは、そうかそうかといって俺のしたの名前を何度も繰り返していっていた。
「ではコウスケ。そろそろ本題に入らせてもらおうか。ふむ、では率直に。私と使い魔契約をしてもらいたい」
おいおい。だから、俺は現状を理解できてねぇんだって。
そもそも、使い魔ってなんだ。
契約ってなんなんだよ。
俺は訳のわからねぇ話を承諾なんて、しねぇぞ。
「その前に聞かせろ。使い魔ってなんだ。契約ってどう言うことだ。ここは一体どこなんだよ。それを聞いてからじゃないと承諾はできねぇ」
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