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リーの口からそのまま事実が語られなにも言い返せない。
しかし、疑問に思うところがある。
「確かに、それは事実だ。でもよ、お前は最強の魔法使いなんだろ?じゃあ、なぜ使い魔を欲した?そして、俺のような人間が最強のお前の使い魔になったとする、そしたら足手まといは確実じゃないのか。そしていい加減教えろ。使い魔とはなんだ」
あっちがあっちでズバズバ言って来るならこっちもそれに応えてやる、と言わんばかりに俺は人間だ疑問に思っていることを吐き出した。
すると、リーは再び苦い笑顔で重い口を開いた。
「そうだな、話さないといけないか。使い魔とは、僕のようなもの。主人の命令は絶対、そういう存在だ。これを言うと君は私と契約はしてくれないだろう?」
「別に、しないとはいってないだろうが。わかった、あんたがそこまで俺にこだわるなら一応使い魔のことは受け入れてやる、あとは足手まといになるかならないか、それはお前の話次第だ。俺を納得させてみろ」
少し強気すぎたか、とは思ったらこいつにはこれくらい強気でいかないとダメだろうと読み、俺はリーの前で腕を組んだ。
それを聞いたリーは長い銀髪を揺らし、目を細めた。
「ほぅ、私相手に強気だな。いいだろう、説得は得意だ」
垣間見えたリーの本気ぶりから本当に俺を説得させるのだろうと予感した。
それからというもの、何べんもこの世界について質問し、リーを困らせ、それでも、俺が納得する答えを言い続けてとうとう俺は折れた。
あんだけ巧みに、説得されてみろ、納得しないわけにゃあいかねぇよ。
てなわけで、この世界についても大分理解できて、ちゃんとした寝床も確保できたことから俺は安堵でいっぱいだった。
元より、使い魔契約はするつもりだったが、この世界の情報の方がまず大事だったためこういう手段をとらせてもらったが、リーはそれも理解した上で俺を納得させる言葉を選んでくれていた。
「では、使い魔契約をしようか。コウスケ」
「わかった」
「じゃあ、本来ならこの首輪をつけてもらうのが決まりなんだけど…君はもう着けているからね」
「ああ、このチョーカーか。ファッションだ、外すか?」
契約に邪魔ならはずした方がいいだろうと、チョーカーに手をかけるが、リーは俺の手をつかんで首を横に振った。
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