こうもりになりたかった人々

はじまりはじまり

本屋は居心地がよかった。
スーパーの２階にある小さめの書店のおかげか、優しい人が多くて働きやすかった。
瞬間瞬間の接客は、そう辛くなかったし。

でも、働くという事は誰かと関係するということなんだと思い知らされた。

店長とパートとバイト。

小さな格差社会なんだよ。
みんなニコニコ働いているけれど、この差は大きいんだと気づいた。
客からすれば同じなんだろうけれどね。

パートとバイトは店長の粗探しをして悪口を言い、
パートと店長はバイトの悪口を言う。
そして、バイトと店長はパートの悪口を言う。

悪口っていうのは正しくないかなぁ、陰口？その人のミスとか？

いつのまにか、私はコウモリになっていった。