プロローグ

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夜空には欠けた月が煌々と輝き、道路は浅い霧で満ちている… ---こんな日は何か出そうだな… コンビニ帰りでジャージ姿の立花姫菊(タチバナ ヒメギク)は早足で家路についてる途中にそんなことを考えていた。 姫菊の家は神社であり、姫菊には禍物(マガツモノ)を祓い、見る力がある。 なので、姫菊は巫女としてよくお祓いをするのだ。 今日もお祓いをしてきた帰りである。ジャージだが。ちなみに、仕事服は背負っているリュックにしまってある。 ---そういえば、あいつに会ったのもこんな夜だったっけ そんなことを思っていると、目の前に人影が浮かんできた。 今は、大体深夜1時くらいだから歩いている人なんていないはずなんだけど… よく見てみるとそいつはブレザーの制服(うちの学校の制服だ)に革の手袋をして電柱に寄り掛かっていたり… 「ヤッホー♪姫ちゃん。お仕事お疲れ様~。だけど、今度は別のお仕事だよ?」 そいつは私に軽快な口調で手を振ってきた。
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