つかの間の幸せ

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でも、真美にとっては高橋とのこういう何気ない会話がすごく好きだった。 「・・・・・・」 松元はそんな二人の様子を面白くない、とでも言いたげな顔でじっと見ていた。 「じゃ、高橋さん、どうぞ、上がって下さい。」 真美は、さぁ、と高橋を部屋の中に促した。早く高橋に上がってもらいたいようだった。 「じゃ、お邪魔になるとするかな。」 と言って靴を脱いだ高橋は、その自分の靴をきちんと並べなおしてから、松元の傍を通りすぎ、部屋へ入っていった。 「じゃあ・・・」 高橋の背後で松元は言った。 自分がいることを忘れられないようにと・・・。
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