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「ううん、プロポーズじゃ無くて....
お父さんに、挨拶出来ないって。
ほら彼は父親が居ないから、お父さんと凄く話したいって」
「そっか、だから起きたくないんだ。
鈴を嫁に出したく無いもんだから、起きたら盗られるとでも思ってるんでしょ。
まったく、病院内での私の立場も、少しは考えて貰わないと」
「姉さん....」
「任せなさい、姉より先に嫁になろうなんて不届きな妹の為にも、叩き起こしてやるわ。
それより、みどりちゃん元気にしてるの?」
「ううん、お父さんが入院してから鬱ぎ込んでる。
お母さん、お父さんが居ないとダメダメな人だから。
てか、凄い刺々しいお言葉ね」
「そっか、みどりちゃんらしいわ。
家の母さんなんか、あんたがオペに口出ししたから、臍でも曲げてんじゃない?
メスででも突っつけば起きるわよ。って、気にもしてないし。
あらまぁ、少しは心が痛んだか」
「あは、さすが看護部長の佳英さんらしい。
でも、本当に突っついたら起きるかも、明日試して見ようかな。
ふん、大手振って結婚してやる」
「鈴、危ない事は止めてね」
「えへっ。でもお父さん、聞こえてるなら、何時までも起きないと本当にやるわよ」
「ほほぅ、怖いもの知らずだこと」
「そっちなの?」
その後直ぐに看護師に追い出され、私は母の待つ家へと帰路に着いた。
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