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そして翌日、車では無く電車で二つ離れた市へ買い物に出掛けた。
「鈴ちゃん、ハンバーガー食べる?」
朝食抜きで出掛けて来た私たちは、駅ビルの中に在るお店に入り、ハンバーガーのセットを受け取るとパソコンをしながらコーヒーを飲んでる人の向かいに座る。
食事も終わり、私が未だ残ってるジュースを飲みながらお向かいの人を見てたら目が合った。
厳しそうな恐い目がフッと優しくなり、柔らかく微笑む。
「ねぇ、さっきから何してるの?」
「株だよ。もう少し待って」
えっ?お母さん?
私は、お母さんを見たまま固まり言葉が出て来ない。
「よし、お待たせ。
おじさんは藤井岳琉(たける)って言います。お名前は?」
お母さんを見ると、にっこり頷いた。
「藤井....鈴です。おじさんも藤井....なの」
「そうだよ、同じだね。
鈴ちゃんて呼んでもいいかな?」
お母さんが、私の背中をトントン叩きながら微笑んでる。
「はい、いいです」
私は状況が理解出来ず、半分思考が停止してる。
「さぁ鈴、それじゃお買い物に行きましょ」
「みどり、僕も一緒にいいかな?」
今度は、お母さんが目を丸くして驚いてる。
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