一日目『パソコン、それは精密機械である。』

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八雲さんとやらは目に涙を溜めながら笑っている。僕は顔を真っ赤に染め上げながら俯いている。 そんな僕を放って置いて八雲さんは僕を見ながら首を傾げた。 「それで?貴方、名前は───」 「僕は─── あれ?僕の、名前が思い出せない?な、なんで──」 そう名前が思い出せなくなって戸惑う僕を余所に八雲さんは頷く。 「そりゃ、そうよね……存在を希薄になってるのだもの………幻想郷でもここまでなっちゃうなんて───」 「ちょっと待って待って! 何?幻想郷?存在が希薄?意味がわからないんだけど………」 その僕のまくし立てるように言った言葉に八雲さんは目を丸くして立ち上がる。 そして窓の外を覗いてニヤリと妖しく口元を歪めた。 そして未だ顔を真っ赤に染めている僕の方に振り返りその笑みのまま言う。 「なるほど、それなら存在が希薄なのも頷けるわ。」 そう言いながら八雲さんは僕の疑問には答えずにいる。 「さて、貴方には道が二つ用意されてるわ。」 そして歌うように言っていく。
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