第一章‐始まりのシンデレラ‐

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キーンコーンカーンコーン 「ねぇねぇ真菜ぁ――」 「61回」 「うわっ正解!数えてたの??」 「毎日言われたら誰だって数えちゃうよ!!誰が好き好んでおっさんの‘えぇー’の回数を数える人がいるのさ!!」 「え?私だけど??」 「……」 外は部活中の人たちで賑わってる。よくあんなに頑張れるな…… あれ?あの人この前見かけた、消えちゃった人…… 「真菜今日――」 「ごめん!!今日用事あるんだった!!先帰るね!!」 「あっ!?真菜!!行っちゃった……」 あの人なんか気になる……追いかけてみよう ***** それにしても…… 歩き過ぎじゃない!? かれこれ一時間ぐらい歩いてるよ!! あ、やっと止まっ…… なにこれ!? ……家?? 窓も無いし、丸い筒みたいな形で、壁全面がコンクリート…… え、てか自動ドア?? 家じゃないでしょこれ…… 中に入っちゃった…… ……私も入ってみよう ウィーーン 「す、すみませーん……?」 誰も答えない 中は今にも命尽きそうな蛍光灯が、長い長いカーブのかかった廊下を照らしているだけ…… こ、こわい……!! 「だ、誰か……返事してよ……」 じゃないとこわいじゃん!! まあ不法侵入だから、あんまり人に会いたくないけど…… 壁をつたいながら恐る恐る歩いて約数分…… やっと終わりが見えた そこにはまた怪しげな自動ドアがあった ドアからは青白い光が漏れている 自分の本能が、体全体で最終回警報をかき鳴らしてる 先へ >行きますか >行きませんか 「……行きます……!!」 私の不安には見向きもせず、そのドアは開いた
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