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キーンコーンカーンコーン
「ねぇねぇ真菜ぁ――」
「61回」
「うわっ正解!数えてたの??」
「毎日言われたら誰だって数えちゃうよ!!誰が好き好んでおっさんの‘えぇー’の回数を数える人がいるのさ!!」
「え?私だけど??」
「……」
外は部活中の人たちで賑わってる。よくあんなに頑張れるな……
あれ?あの人この前見かけた、消えちゃった人……
「真菜今日――」
「ごめん!!今日用事あるんだった!!先帰るね!!」
「あっ!?真菜!!行っちゃった……」
あの人なんか気になる……追いかけてみよう
*****
それにしても……
歩き過ぎじゃない!?
かれこれ一時間ぐらい歩いてるよ!!
あ、やっと止まっ……
なにこれ!?
……家??
窓も無いし、丸い筒みたいな形で、壁全面がコンクリート……
え、てか自動ドア??
家じゃないでしょこれ……
中に入っちゃった……
……私も入ってみよう
ウィーーン
「す、すみませーん……?」
誰も答えない
中は今にも命尽きそうな蛍光灯が、長い長いカーブのかかった廊下を照らしているだけ……
こ、こわい……!!
「だ、誰か……返事してよ……」
じゃないとこわいじゃん!!
まあ不法侵入だから、あんまり人に会いたくないけど……
壁をつたいながら恐る恐る歩いて約数分……
やっと終わりが見えた
そこにはまた怪しげな自動ドアがあった
ドアからは青白い光が漏れている
自分の本能が、体全体で最終回警報をかき鳴らしてる
先へ
>行きますか
>行きませんか
「……行きます……!!」
私の不安には見向きもせず、そのドアは開いた
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