第零章

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「上がったぞ」 「じゃああんたの部屋で荷造りしながら話すから着いてきて」 「俺の部屋かよ、仕事はどうしたんだよ?」 「それについても話すから黙って着いてこい」 「まったく…」 リビングでなぜか用意されていた荷造り用のダンボールを渡されて 母に逆らえない俺は要求されるがままコーヒーと茶菓子のクッキーまで用意して自分の部屋に運んだ。 「で?なんで俺は追い出されるんだ?」 「追い出すなんて人聞きの悪い言い方しないでよ、私が悪いみたいじゃない」 「いいから説明しろよ」 「はぁ…口悪く育ったものね」 「誰のせいだよ」 「さて、本題に入るわ。明日から朔が通うのはあの紅藍学園よ!!」 「紅藍(こうらん)って金持ち学校だろ?入れる訳無い」 「ふふふ…私を誰だと思ってるの?不可能は無いわ」 「……さすがですね」 「大事なのはここからよ。あんたに与えられた任務は私に萌えを報告すること」 「はぁ?」 「何よ文句あんの?私の作品の手伝いが出来るんだからもっと喜びなさいよ」 「手伝いなら今までにも散々させられたし、文句しかない」 「それが何?」 「いえ…」 「じゃあ続けるわね?」 .
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