第一章

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俺の目の前には高さ4mくらいの門 斜め前にはブツブツと何かを呟いている黒い物体… 見た目はもっさりとした黒い髪で前髪は長く、でっかい黒縁眼鏡、母が喜びそうな王道転校生スタイルだ。 あれをやるはずだった俺はというと 暗めの茶髪の鬘、普通の眼鏡、薄い茶色のカラコン、どこにでもいそうな男子高校生という格好。 素で来てもよかったんだが、念のため軽い変装とキャラを変えてみた。 「よし、やってみるか!」 「何するつもりなの?」 「うわぁ!!ビックリしただろ!!」 「驚かせてごめんね?考え事してるみたいだったから、声掛けたら悪いと思って…」 「そうだったのか。俺の名前は間宮肇(まみや はじめ)お前の…」 「ところで何をするつもりだったの?」 「あぁ、俺待つの嫌いなんだ。だから門飛び越えてやろうと思って」 「へぇ…ケガしたら危ないよ?」 「平気平気~まぁ、見とけって」 王道くんに名前を教えてはいけない気がして自己紹介を軽く流し、 俺は少し距離をとって成り行きを見守ることにした。 王道くんは助走をつけて門を飛び越えた …が着地に失敗して痛みに耐えているのか蹲ってしまった。 「…大丈夫?」 「大丈夫だ…少し失敗しただけ…」 「そう…ならいいけど」 .
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