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俺の目の前には高さ4mくらいの門
斜め前にはブツブツと何かを呟いている黒い物体…
見た目はもっさりとした黒い髪で前髪は長く、でっかい黒縁眼鏡、母が喜びそうな王道転校生スタイルだ。
あれをやるはずだった俺はというと
暗めの茶髪の鬘、普通の眼鏡、薄い茶色のカラコン、どこにでもいそうな男子高校生という格好。
素で来てもよかったんだが、念のため軽い変装とキャラを変えてみた。
「よし、やってみるか!」
「何するつもりなの?」
「うわぁ!!ビックリしただろ!!」
「驚かせてごめんね?考え事してるみたいだったから、声掛けたら悪いと思って…」
「そうだったのか。俺の名前は間宮肇(まみや はじめ)お前の…」
「ところで何をするつもりだったの?」
「あぁ、俺待つの嫌いなんだ。だから門飛び越えてやろうと思って」
「へぇ…ケガしたら危ないよ?」
「平気平気~まぁ、見とけって」
王道くんに名前を教えてはいけない気がして自己紹介を軽く流し、
俺は少し距離をとって成り行きを見守ることにした。
王道くんは助走をつけて門を飛び越えた
…が着地に失敗して痛みに耐えているのか蹲ってしまった。
「…大丈夫?」
「大丈夫だ…少し失敗しただけ…」
「そう…ならいいけど」
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