正義の名の下に

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彼の笑顔に、何処か不気味さを感じてしまうのは俺だけなのだろうか。 彼の、敵意の無さを主張するような笑顔には、独特の冷たさがある。 サングラスのせいで目元が見えないのも、そう見える原因の一つなのかもしれない。 何にせよ、警戒はしておかなければならないのは確かだろう。 いいタイミングで案内を買って出てくれたのは助かるが、まだまだ謎が多い。 それに"大魔導師"の部下である可能性も充分にあり得るからだ。 この男が大魔導師のスパイだった場合は…容赦はしない。 「もう少ししたら、切り立った崖があるから、そこは注意しないといけねぇよ?旦那。」 ポーツマスは突然、思い出したように言った。 「崖?」 「そう、崖。 崖に沿って道が続いてるんだよ。 下には川が流れてるから、落ちたらひとたまりもないね。」
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