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暫く歩くと、ポーツマスの言った通り切り立った崖があった。
「ここはね、馬車の事故が多いからアクシデントクリフなんてよばれてる場所なんだぜ。」
「アクシデント…クリフ…ねぇ。」
「一度覗いて見るといい。」
「別にいいが…押すなよ?」
ニヤリと笑うポーツマス。
「さぁ、どうかな。」
「……」
「ハハッ、冗談だよさぁ早くしてよ旦那。」
チッ、と舌打ちをしてツギハギは恐る恐る崖の下を覗いてみる。
薄暗い中に見える小さな川とゴツゴツとした岩肌。
それが彼の目に飛び込んできた風景だった。
「これは崖と言うよりは谷に近いな…落ちたら助かりそうにないのは間違いなさそうだ。」
ポーツマスの声が背中越しに聞こえる。
「運良く川に落ちない限りはね。
ただし、それでも助かるのは難しい。」
ポーツマスはすぐ横にいたナイトの肩を叩く。
「何故だと思う?」
「え?な、何でですか?」
そしてポーツマスはナイトの肩に手を回し、肩を組んで言った。
「理由は簡単。魔物が居るからさ。」
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