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はぁ?
思わずツギハギは声に出しそうになった。
魔物…だって?
そう感じたのはナイトも同じらしく、眉をひそめながらポーツマスに疑問を投げかけた。
「えっと…魔物って一体…?」
「さぁ?俺にも魔物の正体までは分からない。
崖から落ちて帰って来るものが居ないから、そう噂されてるんだ。」
魔物が居るかもしれないし、居ないかもしれない。
ポーツマスはそう呟きながらサングラスの位置を直した。
「まぁ、真実を確かめたいなら、崖下に足を運ぶことをオススメするよ。
命の保証はできないけど。
まぁ旦那達はそんな事はしないか
。ハハッ!」
ポーツマスは苦笑いするナイトと肩を組んだまま崖に沿って歩き出す。
「街はもうすぐだよ、旦那!
先を急ごう。
もうすぐ日暮れだ。たまには野宿以外もしたいだろ?」
ポーツマスの言うとおり、日はだいぶ傾いてきていた。
この荒野で夜を明かすのが危険なのは間違いない。
「そうだな。」
ツギハギはナイトと肩を組む彼の背中を追う。
「……。」
が、ツギハギはふと、後ろの様子が気になった。
今思えば、サラとノラはポーツマスが一行に加わってから、ほとんど会話に参加していないような気がする。
ちゃんと着いてきているのか…?
さりげなく後ろの様子を伺う。
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